ローリン2後半

イベント(evento)

製作の工程の話

私も製作する端くれなので、製作の話になります。

彼はどんな革でもカッターは使わないで、全てハサミで切り出しをする様です。

「この指を見て」と右手の人差し指と親指がハサミダコができていました。

ローリンさん(以下敬称略)の道具を紹介している写真をみたら、ハサミの種類が大変多い事がわかります。

複雑なデザインであろうが、カッターはほぼ使わない様です。

ハサミで革を切るとわかるのですが、切り口が丸みを帯びます

これは構造上仕方がないですがローリンのマスクは切り口が鋭いです。

そして、生地も同じでハサミできります。

メキシコ系の人は生地を切る時はハサミ派が多い気がします。

ウンベルトとの師弟関係

生前ウンベルトと話をしている時にどこで技術を学んだのか?と聞いたところ

「ロペス2製の工房で見て覚えた」と答えていました。

80年代中期の晩年期だとするともうほぼ引退間近の時代です。

彼の学んだ経緯が不明のままでした、今回はローリンにその事を聞く事ができました。

「80年代中期にマスクを教えていました」との事。

ウンベルトとローリンの型紙が大変似ている物があるというのも聞いた事があります。

ウンベルトのマスクを見ているとローリンの影響を受けたと思えない作風なだけに驚きました。

もちろんロペス系とも違います。

生前彼はなぜローリンから学んだ事を隠していたのかが今となれば謎となります。

ローリンとウルティモドラゴン

ローリンのマスクの代表作の一つであるウルティモドラゴン

ローリンがいなければウルティモの顔は大きく変わっていたでしょう。

以前ゴングにウルティモマスク特集があった時にローリンのインタビューが載っていました。

当時は『矢切』が存在しないために、いや大きく口が空いたサントプライベートや2000プライベートは

あったかもしれません。日本式の矢切は初なので大変苦労したようです。

一度のめり込むと、いてもたってもいられない筋金入りの職人なので三日間寝ずに試行錯誤をしたようです。

頭頂部のトサカ、後ろの尾が仕事量を増やして大変なようでした。

87年にウルティモデビューそれからは10年以上作り続けました。

ローリンが86年から10年間はウルティモ、ビジャーノ、スペルアストロしか殆ど製作していませんでした。

90年代の他のローリン製のマスクがあまりないのはそういう事です。

巷では、なぜウルティモがローリンから外れたのか?と色々言われていましたが、これも

本人に聞く事ができました。

「毎回違うマスクやコスチュームの為に製作が終わればすぐにオーダーが来る状態でした」

その生活が10年間以上続き疲れてしまったようです。

ローリン製ウルティモはその為に市場によく出てきます。

スーパースターを支える為には偉大な職人がいるという事です。

今はミゲルアンヘル製になっています。

ウルティモドラゴンのマスクも以前どハマりした時期があり、かなり研究しました。

人生を削りあの形を作り出した傑作です。

エピローグ

まだ話した事がありましたが、記憶が曖昧で思い出したら再度書きます。

前回は平日開催と無理なスケジュールで参加できませんでしたが、今回は参加できて本当に良かったと感じます。

ローリンからの打診で実現したこのイベントをオーガナイズして頂いたドクトルルチャ並びに運営陣の皆さんに感謝いたします。

少ない時間ですが憧れの人と話せたのが良い思い出になり貴重な体験になりました。

いろんな職人さんと出会い吸収し自分のスタイルを確立する。

ウンベルトも作風が違うのも後に様々な人と交流があってこそのあの作風です。

ローリン会ではマスクファンしか来ていませんので、様々な方と知り合える事ができました。

中には私のブログを見て頂いている方もいて大変嬉しくモチベーションに繋がりました。

あそこにいた一人一人がマスクに対する想いが強いと思います。

マスクは超ニッチな世界です。マスク友達がいないのが普通で話したくても話せない人が沢山います。

私もその一人で、仲間を見つける為にブログを立ち上げました。

そして、皆様にもお友達ができると交流が広まります。

ローリンの事を想いながらこの記事を書いていると、ウルティモドラゴンを製作したくなりました。

ウルティモプライベートタイプのマスクがもし欲しい方がいましたらご連絡ください。

製作意欲が出ている時のマスクは楽しいものです。

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