正倉院の宝物はご存知ですか?
奈良時代、聖武天皇が崩御した際に光明皇后が東大寺大仏に献納した御遺愛品等を中心とする宝物群です。多種多様かつ国際色豊かな約9,000件の品々が、1300年近く、人々の努力によって良好な保存状態で伝えられてきました。
その奈良時代の宝物を現代に蘇らせいるわけです。
しかし、ただ復刻しているだけではなく、当時と同じ素材、工程を踏襲して完全再現しているわけです。
例えば、糸1つにしても繭からの工程です、しかも、当時の蚕など
無いわけで、古代種の“小石丸”という最も適した物を採用する所から始まります。
染料の茜も当時無かったものが皇居に自生していたらしく、上皇陛下の
お許しの元使用が可能になりました。
と、素材から困難を極めます。全ての宝物が再現模造でも国宝級なのです。
物作りの端くれ者の私は、何か深いシンパシーを感じました。
当時の物を如何に現代に蘇らせるか、縫製、素材を突き詰めないといけません
例えば、縫製もあの糸の食い込みが甘い独特の風合いは、現代で再現するのは
足踏みミシンを手に入れないといけません。
それは不可能です。自分ができる限界で再現するしかないかなと
思いますが、やはりあの佇まいは目指したいところです。
様々な壁を乗り越えて究極の“再現模造”も目指したく思います
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