タケダ(武田)

幼少期
ルチャドールへの道
タケダの誕生

幼少期

武田は1969年8月29日チワワ州シウダー・フアレスで生まれ、アメリカの軍事基地で育った。米軍兵士の養子となる。幼少期はドイツの米軍基地で暮らした。

彼の母親は、彼が非常に活発な子供であることに気づき8歳の時、母親はテキサス州エルパソの拳法空手アカデミーでロベルト・ナバに入門。そのアカデミーに4年間通い、12歳で黒帯2段を取得。

また、エルパソのボーイズ・クラブでリカルド・”パハリート”モレノの元でボクシングの練習にも励んだ。少年ゴールデン・グローブ・トーナメントでメダルを獲得。

その後、両親の離婚後に彼はシウダー・フアレスに引っ越した。

知り合いもなく、スペイン語もほとんど話せなかった。母親の家計を助けながら、エルパソでもシウダー・フアレスでも仕事は見つからなかった。

ある夜、ヒムナシオ・ホスエ・ネリ・サントスでルチャ・リブレのイベントがあった。お金がなかった彼は、開いていた窓からショーを見に入った。その若者は、子供の頃に見ていたスポーツに惚れ直した。その経験から、彼はお金を稼ぎ、母親と弟を助けるためにルチャドールになることを決意した。

彼の東洋キャラはこの拳法がベースになっていたのかもしれません。しかし、スポーツに対するセンスの塊だと感じます。

ルチャドールへの道

彼は「ヒムナシオ・サヒッド（Gimnasio Sajid）」でトレーニングをするために向かい、そこでオリンピック・レスリングとルチャリブレの指導者であるベイビ・シャロン（Babe Sharon）に出会った。未成年だった彼は、エルパソで血漿（けっしょう）を提供するために偽の身分証を使い、そのお金で授業料を支払っていた。

彼は、空手の黒帯を持っていることをシャロンに話せば早くデビューできると思っていた。しかしシャロンの方は、彼が見せびらかしていると感じ、スペイン語がよく話せないということも信じなかった。そのため、彼は「もう来るな」と言わんばかりの仕打ちを受け追い返された。それでも彼は翌日また戻ってきて、前日よりさらにひどい仕打ちを受けたが、それでも通い続けた。

何日も殴られ続けた末に、シャロンはついに彼を自分のクラスに受け入れた。

幸いなことに、ベイブ・シャロンは英語を話すことができた。数年後、彼の師であるシャロンはこう語った。「ルチャリブレの授業料はちゃんと取ったけど、スペイン語の授業料を請求するのを忘れてたな。」

ベイブ・シャロンは非常に厳格な指導者として知られていた。その若きレスラーは、ロッキー・スター（Rocky Star）と共にプロレスラーの資格を得るための試験に合格した。

日本の星飛雄馬ばりの哲学を持っていたのでしょう。如何に厳しいか垣間見れます。

タケダの誕生

空手のインストラクターとして働いていたにもかかわらず、彼にはマスクやコスチュームを作る余裕がなかった。そこでシャロンは彼に、マスクとギアのデザインで有名な職人フアン・サルバドール・カンポス（通称チャビータ）を紹介した。彼は1か月間お金を貯めて、そのギア代を支払った。

リングネームを授かったとき、シャロンは彼に自身のキャラクター（ギミック）について勉強させた。彼のキャラクターの名前とイメージは、日本の戦国時代において軍事的名声を誇った有名な大名・武田信玄に着想を得たものであった。

チャビータと彼が最初に見たマスクとギアのデザインは、ふたりとも気に入らなかった。そのため、現在のデザインに至るまで何度も修正を加えることにした。

タケダのマスクの色は金色で、アジア人の肌の色を連想させるものだった。また、この金色は、名高い武田信玄の「格（カテゴリー）」を象徴する色でもある。さらに、彼自身も以前から金色のマスクを着けたいと願っていた。

しかし残念ながら、チャビータは最初のマスク制作時に金色の布を切らしてしまい、代わりにマスタード色の布を使うこととなった。侍の髪型を模した髪は本物の髪で作られており、実際には彼の母親が若い頃の髪の毛を使用していた。

このチャビートという職人さんはフアレスに住む方です。

日本では誰も知られる事もない職人ですが、タケダのデザインを立体感した凄い職人さんです。