マスク職人達は時代を超えても、その球体に一番カッコ良く表現できるかを研究していたと思います。
また、どうしたらそのマスクマンに合うかを研究して居ます。
マッハさんにマスクを納品した時も、彼の頭の大きさをある程度は理解して居たのですが、伸び率の低いマスクだと小さめになってしまいました。
今はリクラモハーダと言う2ウェイの生地がありますが、当時はモハーダという生地を使っていました。伸縮率は低く上に、箔が剥がれてくる生地です。
アントニオマルチネスが良く使用して居ました、昔のソリタリオなんかはハゲているものが多いですね。
私はその工夫されて作られたマスクをどういう処理をして、かっこよく表現しているのかを見るのが好きです。
手に入れて良かった!ではなく、その職人さんの苦労が感じられる処理が好きです。
オンブレバラやエル・アルコン、キッドディナモ、マスカラスソラールモデル、、、、数え切れないぐらい大変なマスクがあります。
それらのマスクをリング上でカッコ良く表現できるのですから、凄いです。
もう一つ技術ではカバーできないのが、素材の廃盤によるものです。
旧ラメが無くなって新ラメになったり、他の綺麗な生地に代替えしています。
例えば、以前見たのがティニエブラスのお皿の端っこにステッチが入っていて、よく見ると旧ラメをつき足していました。これは衝撃的でした。細か過ぎて分かりませんでした。
その他には、喉テープの縫い合わせをしている物、紐通しを継ぎ足している物、これらは素材の貴重さから生まれた技術でそういう処理を眺めると、ロマンを感じてしまします。
綺麗なマスクはもちろん素晴らしいのですが、味のあるマスクは見ていて飽きませんね。
中には、選手もマニアも知らない作品を作った本人しか分からない処理も施されている物もあります。
昔のマスクにそういう考古学的な楽しさを残したマスクが多くあります。
古きを訪ねて今を知る。物事は先人に学ぶものですが、先人の知恵が素晴らしいのですが、飽食の今の時代はあまり、その様な処理を見なくなりました。
下の写真は、プエブラが行なっていた処理の一つで、した4分の1だけ旧ラメにした加工です。
紐で縛ったら丁度出るところだけ旧ラメにしているんですね。
このマスクを納品した際に「頭いいね〜賢いね」と言われた事がありましたが、旧ラメが貴重で
寸法がどうも足りない苦肉の策から生まれたものです。
近年の奇抜なマスク達にも様々な工夫がみられますよ。
日本のマスクマンにしても凄いなーと思うマスクが沢山あります。
是非そういう視点で見てみるととても面白いと思います。
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