ロックのジャンルでも殆どの曲は『ビートルズ』の影響を受けていると聞いた事があります。
世代を遡ると源流に近く、聴いていなくても憧れていた人が何かしらの『カケラ』を継承しているという事ですね。
では、プロレスのマスクはどうなんでしょう?
最近出た『マスカラスゴムラメ』はプエブラに似せて製作されていたようですが、
有識者が見るとすぐわかるレベルです。
しかし、この製作者は『贋作』として製作をしているのか、それともそれが彼のスタイルかで違ってきます。
アレハンドロ(プエブラ)もインスパイアから始まった。
アレハンドロさんはマスクを製作する時に2年間『ロペス工房』に入り浸っていました。
なので、ロペスの影響が出るのは当然です。
製作過程から、カッティング、工程もロペスになぞっている部分は多いと思います。
70年代から80年代初期までの旧プエブラでも更に評価の高い時代は
ロペスの色が色濃く反映されているように思います。
80年代中期頃から新ラメのマスクが登場する事にはマスカラスの本体に変化があります。
時代の移り変わりで作品は様変わりします。
私の事で言えば、初期はプエブラに魅力を感じる事なく過ごし、
1番最初は『ローリン』の繊細で正確なマスクに魅了され、研究をしていました。
この時期はローリンを真似してボンドを使わないで十字テープを
縫い付けていたり影響を受けていました。
それから『ラウルロメロ』のマスクにハマったり『フリア』にはまった時期もあります。
で暫くした時のこと、プエブラの製法が求めている物に近いと感じ、研究をする事になりました。
なので、私の作品も時代により大きく変わり、最近また変化を加えています。
この様に自分のスタイルが築かれていきます、しかし、それは終わりなき旅
答えが無い探求の旅です。
工芸品は唯一無二
◯◯製の完全コピー!などありますが、私には難しい事です。
その職人さんが築いた軌跡を作品のみで到底理解はできないという事です。
工芸品は知れば知るほど、その先人の仕事の素晴らしさを知る事になり、超える事の出来ない事を悟ります。
つまり、どの職人さんも守破離があり、ある程度経験を積むと”離”が訪れます。自分のスタイルを追求するという事です。
その長年築いたものを完コピは難しいと考えます。
2010年以降の情報が情報が溢れ出す。
日本で言うと、真樹 日佐夫さんが逝去してから、お宝級のマスクが世に出てきました。闘導館に出品されたり
雑誌やSNSでお宝級が見る機会が増えてきました。
以前Gスピリッツのタイガーマスク特集で詳細な2冠伝説が出ていましたが、
程なくしてその2冠伝説のコピーがオークションに登場しました。
ステッチの『ズレ』やセッティングを真似ている様でした。
これは自分のスタイルを押し殺している作品で本物の劣化コピーにしか見えません。
日本にいる既存の一流の職人さんはその様なマスクは作りません。
さいごに
その作品を見ると、その作品の構造はある程度解っても、どの様な工程を経て作られたかは解りません。
たまに、この職人さんならどの様に製作するのか?など考える事があります。
マスクや工芸品、美術品を見る時にその様に色々考察しながら見ると新しい発見があります。