以前メキシコの工芸品の事を書きました。
安い材料で複雑な模様を作り、最後には物凄い作品を完成させます。
安い材料で作っているので、なんで「こんなに高いの?」と思われがちですが、全ての値段は相当だと思っています。
何故ならば、そこまでの到達する勉強代、経験を物凄く積んできているからです。
ピカソもファンに30秒で絵を描いてあげて、100万ドルを請求しました。
ファンは「30秒で書いてなぜこんなに高いの?」という答えに対し彼は、
「30年と30秒です」と答えました。
これは芸術や職人仕事をしている人、全ての業を持っている人に言える事です。
今までに費やしてきた時間と経験は大変に価値のあるものです。
私は工芸品を見るのが好きなのですが、そう考えると物の見方が変わります。
更に歴史を知りたくなるはずです。
私はずっとプエブラをフォローしてきましたが、今ロペスの世界を勉強しています。
あの独特のライン、デザイン性、ラヌルフォの世界は深く、見れば見るほど興味が沸いてきます。
60年代後期から70年代中期までの独特の作品は唯一無二です。
本体の型紙を見てみると、今の主流のお皿の小さいマスクとは違い、皿が大きく、首が細いです。
顎のラインでしっかりと収まるフォルム、ワグナーにも見られる様に、丈が首の真ん中まできていますね。
小さい様で大きいのです。
昔のレスラーは体が大きく、首も太く、このマスクを被ると本当に様になります。
プエブラとロペスは似て非なるものです。ロペスを意識して製作していますが、2枚連続失敗です。
本当に難しいなと思います。
雑誌のインタビューでプエブラとロペスのデザインの違いがありました。
各々の世界が存在し、私は甲乙は付ける事ができません。
プエブラはロペスのデザインを自分のイメージで起こしたデザインもあります。
カネックはアントニオマルチネスのデザインをプエブラ流に変化させたものもあります。
マスクのデザインや本体、全体像を見ると本当に天才だと思わせます。
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