今回の旅は憧れの職人さん達を訪ねてお話を聞く事が目標でした。
第一弾は老舗のロペス一家のお話です。
初対面のアレハンドロさん(ロペス3世)は休日にも関わらずスーツで出迎えてくれました。
とても気さくな方でどんな事も丁寧に答えて頂きました。
場所は市内のレストランで気づいたら1時間40分もお話をしていました。
メキシコのレスラーはインタビューを受ける機会はあるのですが、マスク職人さんは中々その様な機会がありません。
ソルチャさんの林さんの雑誌やGスピリッツなどで取り上げている事がとても参考になりました。先人に感謝です。
アレハンドロさんは先代とは違い、マスク職人だけで生活しているわけではなく、精神科医としての側面もあります。
なので、話の中はマスクの事だけではなく、メキシコの医療関係の話もかなり多く話していました。
彼は空白の時間があり、大学時代はあまりマスクを作ることが出来なかったようです。
「7年前からマスク業を本格的に再会し、その前は医師としての仕事が忙しくマスクがあまり作れなかった」
仕事の傍らマスクを作るのは大変な事です、いつ作っているのでしょう?
「週末に時間を見つけて少しずつ作っているよ」
仕事の傍らマスクを作るのですが、オーダーが沢山来ていてゆっくりとこなしています。
ラヌルフォ、レオポルド、そしてアレハンドロと偉大な一家の家系ですが、次の世代はどうなっているのでしょう?
「私には二人の息子がいて二人共に医療系の仕事に就くために今勉学に勤しんでいるよ」
ではその二人の息子でマスクを作る人はいないのですか?
「これは難しい問題で興味が無いものに対してやらせることはないよ。」
どうやら偉大なロペス一家のマスクの歴史も今の`アレハンドロ ロドリゲス`で終わりのようです。。。
当時からのタグは今もなお在庫はあるようで、いつまで彼の作品が見れるのでしょうか。
日本のマスクマニアはよくこの様な話をします。
「このマスクはロペス2世製だよ」
私も年代から恐らく2世が手掛けたのかな?なんて推測しますが
彼は12、3歳からマスクの手伝いをしていたので、実際は
70年代の中頃から少しずつ作っていたようです。
本人も「これはパパが作ったのか私が作ったなどの判断はとても難しいよ。仕事を分担していたし、お手伝いさんも数名いたよ」
現代は煌びやかな生地が沢山ありますが、昔は今ほどありませんでした、フィッティングが難しい生地も沢山あったのではないでしょうか?
「昔はノンストレッチの生地が多く、ルチャドールが来る度にサイズを測っていたよ」
旧サテンは伸縮性がありません、その中フィッティングする事の難しさ、細かく毎回寸法を測っていたのも納得です。
今は時代が変わって、ルチャドールに納品するよりもコレクターに納品する事が増えてきました。その事についてどう思いますか?
「レスラーよりもマスクの価値を知ってくれる人にマスクを手にとってくれる事は喜ばしい事だよ。」
これはプエブラ行った時にも話した事ですが、本当に価値を知っている人に本当のマスクを手に取って欲しい思いが大変強いようです。
まだまだ様々な話題をしたのですが、膨大すぎてまたの機会に、、、気になることがあれば、コメント欄に書いてください。
偉大なる歴史も現代で終わり、時代の流れでしょうか、新しい職人さんがメキシコにも沢山生まれています。
いつか70、80年代のルチャが古典と呼ばれる時代に偉大なマスク職人の一家がいた事は忘れる事はないでしょう。
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