マスカラスのオーバーは脱着が楽なようにファスナーを使用しています。
初期来日のロペス期は紐式もありましたが、プエブラ期に入ると断然ファスナーです。
ファスナーメーカーYKKは世界の4割ぐらいのシェアがあるようです。
勿論メキシコでも流通していてよく”IDEAL”が本物!と言われますが、YKKもあります。
品質もYKKは素晴らしく、スムーズに長けています。
今日はファスナーのエンドの処理についてお話いたします。
今の交流のある職人さんはファスナーの長さを調節できる工具を使って処理をしています。
しかし、昔はそんな道具がなかった時代はどうしていたのでしょう?
ファスナーは性質上一度”取っ手”が外れてしまうともう元に戻りません。
マスクでそれがあると大変な事になります。
プエブラは2種類の処理の方法を施しています。
一つはエンドを活用しての処理、近年はこれが多いのかもしれません。
これはエンドポイントを使用しての処理です。
メリットは下で長さの調節をするので、すっぽ抜ける事はまずありません。
デメリットは下を折り返して処理するので、ファスナの固い部分を縫わないといけない事により、目が飛びやすい事です。
特に鉄チャックはそうですね、この樹脂の物は影響は少ないのかもしれません。
次にエンドポイントを切り取って、縫い付ける事によってエンドポイントを作るパターン
これは樹脂製のファスナーにしかできません。
これは取っ手が外れる事もありませんし、下のエンドポイントで揃えるので、紐通しも縫いやすいんです。
これは古いマスカラスに施されていました。
そして、紐通しの内側ステッチがシングルステッチです。
謎としか言いようがありませんが、中には外側も内側もシングルステッチのオーバーもあります。
オーダーが立て込んで2重ステッチをする時間すら惜しかったのでしょうか?
思わず空想してしまいます。
日本の職人さんはどう処理しているのかは全くわかりませんが、私は前者の方法にて処理をしています。
最近ファスナーの紐通しの奥深さに気づいて、改良を重ね、どうフィットするのか?
が解ってきました。答えは先人のマスクにあります。
蛇足
何か制作意欲を沸かせるような、皆様が実現してほしいマスクがありましたら教えてください。
私が製作するとどのように表現するのだろう?と疑問に思うマスクがありましたら、こちらまでご連絡ください。
沸き立つような物があれば製作したく思います。
山の様に型紙がありますが、これだ!と言う制作意欲を沸かせるマスクが中々ありません。
実力不足で作れない物もあるとは思いますが、皆様がどのようなマスクに興味があるのか?もお聞きしたいものです。
コメント