【解析9弾】ランセル ロペス1世

ロペス(Ropez)

はじめに

日本にはごく僅かにロペス1世の作品をお持ちの方がいます。

極初期マスカラス、ワグナーパパ、エル・サントなどなど。

60年代を彩ったマスク達です。

マスカラスのデビュー当時の60年代中後期ではロペスタグのない物も複数あります。

今日はそのタグ無しロペス1世の作品の解析です。

色々調べると、今には無い処理を施しているのが興味深い一枚です。

旧サテンに厚い革が使われています。

首の長さが普通のマスクよりも短いです。

しかし、丈が長いので、ジャストフィットになるマスクです。

正面から白い革の面積が大きく位置合わせが難しいマスクですが、マネキンに被せたらジャストにフィットします。

尚且つ非伸縮の生地でこんなに綺麗に作れるのは大変な事です。

その模様は紐通しに被っており、非常に凝っているデザイン

ステッチが繊細です。65年付近のロペスの作品で目の縁取りが細いものが結構あります。

裏張りは紐通しのみです。

鼻の部分は白いサテンで切り替えしています。下地から上に被せるやり方はありますが、別生地の切り替えなので現在この様な処理をする人はいません。

喉テープは2重になっています。

珍しい逆三角で止めています。

ベロの処理が特殊で、本来切りっぱなしの処理をするはずが、袋縫しています。この処理も今現在はしません。

着用写真です。まだ劣化がありません。

67年に練習を開始して、71年にプロのデビュー戦を行ったと書いています。随分長い期間がありますが、その前はアンダーカードで試合していたのでしょうか。

さいごに

タグが付く前の60年代のロペスは貴重です。

70年代のマスカラスは既にタグが付いています。

作り方は基本は同じにしても、今とは違う処理が興味深く、製作レベルが非常に高い事がわかりました。

昔のマスクはどれも個性と工夫の塊で、どれも興味深いです。

雑談

もう年末です。

年末にかけて何か企画を考えたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました