はじめに
日本にはごく僅かにロペス1世の作品をお持ちの方がいます。
極初期マスカラス、ワグナーパパ、エル・サントなどなど。
60年代を彩ったマスク達です。
マスカラスのデビュー当時の60年代中後期ではロペスタグのない物も複数あります。
今日はそのタグ無しロペス1世の作品の解析です。
色々調べると、今には無い処理を施しているのが興味深い一枚です。
旧サテンに厚い革が使われています。
首の長さが普通のマスクよりも短いです。
しかし、丈が長いので、ジャストフィットになるマスクです。
正面から白い革の面積が大きく位置合わせが難しいマスクですが、マネキンに被せたらジャストにフィットします。
尚且つ非伸縮の生地でこんなに綺麗に作れるのは大変な事です。
その模様は紐通しに被っており、非常に凝っているデザイン
ステッチが繊細です。65年付近のロペスの作品で目の縁取りが細いものが結構あります。
裏張りは紐通しのみです。
鼻の部分は白いサテンで切り替えしています。下地から上に被せるやり方はありますが、別生地の切り替えなので現在この様な処理をする人はいません。
喉テープは2重になっています。
珍しい逆三角で止めています。
ベロの処理が特殊で、本来切りっぱなしの処理をするはずが、袋縫しています。この処理も今現在はしません。
着用写真です。まだ劣化がありません。
67年に練習を開始して、71年にプロのデビュー戦を行ったと書いています。随分長い期間がありますが、その前はアンダーカードで試合していたのでしょうか。
さいごに
タグが付く前の60年代のロペスは貴重です。
70年代のマスカラスは既にタグが付いています。
作り方は基本は同じにしても、今とは違う処理が興味深く、製作レベルが非常に高い事がわかりました。
昔のマスクはどれも個性と工夫の塊で、どれも興味深いです。
雑談
もう年末です。
年末にかけて何か企画を考えたいと思います。